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走馬灯のようだなと思った。

流るるまま、文字の渓流に脳を任せて沢下りをしていると、ときより深い絶望や重い焦燥感、期待や不安から成就により訪れる麻薬のような多幸感などの印象的な出来事が陰険な光を放ったかと思えば、暗がりの寝室で美少年たちが口付けを交わしているのを見つけて明々としたり、場面描写や短い言葉一つ一つの情報は重要ではなくて、全体によって理解を得る。そんな具合だった。


日常とは基本退屈なものだ。
しかし、退屈な日常においても劇的な心境は生じ得る。読み慣れないものにとって、この小説は敷居が高いだろうが、それで問題無い。退屈であっても一生である。人に歴史ありと謂う様に波があり、印象的な場面が訪れる度に、うどんが喉から腑に落ちるが如くスルリと脳に取り込まれるので、流し読むように鑑賞する程度でもよい。
重要なことは何も私の口からは言わないが、作者の精神は本当に屈折しているね。

嫌な噺だ。

私と彼の違いは……なんだろうね?特に無いのではないかな。
私も彼と同じように、屈辱と陶酔と寂しさを抱いて無為に死ぬだろう。そう確信している。
私達がここに生まれ落ちたときからそれは避け難い結末であった。
私は暗示によって、決して口にはしないし脳内で復唱することさえないが、きっと私は何もかもを薄ら諦めながら、私を死なせるためにあらゆる可能性を諦められず、怠惰でだらしのないズボラを纏ったまま挑み続けるのだ。

「"怠惰に"挑む」のではなく「怠惰に挑む」のである。
生き急いで失敗したので、しばらく怠惰に対しては挑まない。

何もかもを諦めているような感慨を持ちながら、何一つ諦められないのが私ですね。すべてに失望していることで絶望を遠ざけ、死ぬために独りでに生存するのです。私の夢は自殺すること


そして、エーミール。またお前かエーミール!!
小賢しい性質の癖に愚直なエーミール君が、最高に道化で素晴らしい。




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